フランクルの言葉
3ヵ月もご無沙汰してしまいました山中です。
・・・と思う間に諸般の事情により, しばらくの間ここ奈良から離れる事となりました。
勝手気ままに思いつくまま綴ってきたブログでした。やたら長い文章にせめて途中まで
でもお付き合い頂いた皆さまに感謝申し上げます。
ご挨拶代わりに自分が大きく影響を受けた人の言葉をご紹介し、ここ奈良での締めくくり
にしたいと思います。(最後もやっぱり長いですが…)
ヴィクトール・E・フランクル (1905-1997)
ウィーン生まれの精神医学者。ドイツの強制収容所生活を体験。逆境の中で、生きる意味を見つめ、その体験を通し自らの学説を実証し苦難を克服した人です。著作『夜と霧』はアメリカで「私の人生に最も影響を与えた本」ベスト10に選ばれ、発表後60年余を経て、今なお読まれ続ける世界的ベストセラーになっています。
私にとっては本を通した師であり、辛苦の時に出会い生きる意味をを学んだ人です。
フランクルはその著作において、人生には三つの価値が有ると云います。
その一つは創造する自由において、一つは素晴らしい事を体験できる自由において、
三つめは人に残された最後の自由、どんな境遇でもその事をどう受け止めるかという自由
において見出される価値。
「祝福しなさいその運命を、信じなさいその意味を、どんな人でも最後の自由が残さ
れている、それは態度を決めどう行動するかだ」
他の何者からも制約を受けない最後の自由。何事も向き合い方次第でその中に意味を見
いだせると…それは安易なプラス思考とは次元が異なり、強制収容所の最も過酷な境遇
の中にも意味を見出し、生き抜いた著者だけに格別の説得力をもって私達の心に迫りま
す。その「態度価値」は次の言葉に集約されています。
「 人生に何か期待するのは間違っている。人生の方が私たちに期待しているのだ」
自分が何かを期待するのではなく、自分が何を期待されているのかを発見するだけ…
衝撃の一言です。またこんな言葉も遺しています。
「自分の胸に聞いてみて欲しい、過去の人生から、例えば恋愛経験から悲しい要素だけを消してしまいたいかと。苦悩の日々が全てなかったらよかったかと。たぶん、NOというだろう。いやな時期だったとしても、その時期に自分が成長し成熟したのだとわかっているからだ」
だれでも辛い、悲しい思いはしたくない。でも過去を振り返るとそのいずれにも意味があっ
たはず…そう思えるなら不安もどんな運命も受け止められると教えてくれます。
生きる道標として響くフランクルの数々の著作。
旅路で迷った時に手に取る本としてお勧めです。
またどこかの展示場日記に登場します。それまで、ここにご来訪頂いた皆様に訪れるいか
なる事も意味あるものと受け止められるようお祈り致しまして、同じく衝撃を受けた言葉、
欲にまみれた自分への自戒の言葉を添え、奈良での最後の更新とさせて頂きます。
「幸せは、目標ではないし、目標であってもならない。
果てがないゆえに、そもそも目標であることもできません。
幸せとは、結果にすぎないのです。
自分を忘れ、ある事やある人に仕事や人間に愛を傾ける人・・・そんな人には全て
がひとりでにやってくる。成功も楽しみもである。」
ヴィクトール・E・フランクル